会社ストーリー
自分の大好きな北海道で、この経験をシェアしたい。" 株式会社ソーシャルコンパス 代表取締役 大畑 俊介
『まだ知られていない、北海道の魅力を伝える。』
札幌市を拠点に活動するバス会社『Social Bus』。北海道を訪れる個人旅行者向けに、バスで様々なツアーを提供しています。代表の大畑俊介さんは、「バックパックひとつで徒歩で北海道を訪れるような個人の旅行者は、移動手段が限られている。札幌近郊にも素晴らしいところはたくさんありますが、地方にこそ可能性があります。人間が作り出せない、素晴らしい景色がある」と言います。その言葉どおり、車がないと行けないような北海道の名所へ、多くの観光客を連れて行っています。「登別の地獄祭りなんか、すごく喜んでいましたよ」と、屈託のない笑顔で語る大畑さん。「超フレキシブルに、オーダーメイドの旅行を提案します。お客様から行きたい場所の要望があれば宿泊施設も一緒に考えるし、僕らのおすすめを伝えることもします」そんな丁寧で旅行者への愛に溢れた仕事の裏には、大畑さん自身の旅行者としての経験がありました。
『転機となったアジア旅行、そして親友と起業。』
転機となったのは22歳のとき。高校からの親友である、佐々木さんと共に出発したアジア旅行でした。タイなど4か国を巡る途中、あるゲストハウスに宿泊しました。そこで仲良くなった旅行者たちと声を掛け合い、ゲストハウスの提供する小さなバスに乗り込み、ガイドブックには載っていないような地元の知られざる名所に連れていかれました。旅の仲間と交流し、ゲストハウスとバスを通して、地元の人々や文化にも触れた大畑さん。当時を振り返り、こう話します。 「ローカルの素敵な場所に行けたのは本当に楽しかった。かつ、バスで向かっている間に他の旅行者と仲良くなっていったのがすごく思い出に残っていて、当時出会った仲間とは今でも連絡を取り合っている。この思い出を、自分の大好きな北海道でなんとかシェアしたいと思った」 以前から「2人で何かをやったら、世界を獲れるんじゃないか」と話し合っていた大畑さんと佐々木さん。やらない理由はありませんでした。まずは札幌でゲストハウスを開業。順調に店舗数を拡大したものの、バスでのツアーを行うには旅行業の資格を取らなければなりませんでした。バスを運転するため、大型免許も必要でした。様々な難関を乗り越え、2018年4月。ついにSocial Busを開業しました。あの思い出を、大好きな北海道でも―。大畑さんの想いの実現が、大きく近づいたのです。
『永続的に、北海道を発信する。』
いまのSocial Busには、大畑さんの想いに共感した人がたくさん集まっています。大畑さんの妻でもあるピタさんが「大手の会社とは違って、ローカルの面白い場所に、小さなグループで地元のガイドと一緒に訪れることができるのが私たちの強み」と話せば、定年退職を経て他のバス会社から移ってきたドライバーさんも「最後にひとつ夢をかなえたい」と熱く語ります。語学に堪能なインターン生や、北海道が好きすぎて大阪から移住してきたスタッフもいます。 もちろん、お客様の元にも、大畑さんたちの想いは届いています。 「僕がいないときに、ゲストハウスの方に「おおちゃんはどこ?」と訪ねてきてくれたお客様がいて。お客様と友達になってしまうような距離感がいいですよね。基本的に、旅は人だと思っています。またこの人に会いに来たいなと思ってもらって、また北海道に来てくれたら嬉しいですよね。」 取材の終わり際、「今後のビジョンは?」と問いかけると、大畑さんは少し考えて「永続的に北海道を発信し続けること。それはやめない」と話してくれました。22歳のあの日に大畑さんが得たかけがえのない思い出は、形を変え、多くの観光客に届いていくことでしょう。 北海道のファンを増やすバス、Social Bus。そのバスは、新たな人の繋がりを作り、素敵な思い出を増やしながら、今日も北海道のどこかを走っています。